いつの頃のものかはわからないが、十分に時を経た木桶は、この畳部屋に備えられると見事なまで風趣に富み、恰好のワインクーラー代役を、いや、それにとってかわる役柄としての調和をみせていた。 あべこべに孝之が持参したフランス産ワインのほうが、浮いて…
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