美の特攻隊

てのひら小説

2014-11-27から1日間の記事一覧

夜がくるまで

夜の河〜27最終話

短い突風が去ったあと、ひとりになった初恵はぼんやりと窓外を眺め、言葉を置き忘れたかの面持ちで呼吸をしていた。しばらくして憔悴の色を隠しきれない孝之が席に戻ってからも、この居住まいがもっとも適度な距離感を保ていると思い、網棚に荷物を置いたま…