純一は表情がこわばりゆくのをどこか覚めた意識でとらえていた。際どい橋渡しなはずだけれど、平静を装ったまま歩を踏み出しているような、宙に浮いた空気抵抗を感じている。高所から見下ろす先へと吸い込まれそうなめまいにも似たあやふやさが、危険を察知…
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