化粧2

美代は穴があくほど今日はじめて目の当たりにした陽子の顔をうかがったわけでもないのに、自分の家に帰り夕食をすませたあと母と一緒に銭湯に行った際、背中を流してもらいながら湯気でくもりかけた鏡に反射するおさなげな表情が、より頼りない造作で目鼻だちを並べてあるように思えてしまい、いつものことながらこうして…