化粧4

夢心地の断章はときと云うしおりをいともたやすく抜き出し見開かれるべき光景へと連れさる。 めくられる頁のはすでに白日のさなかであった。 今まで感じたこともないその指先から授けられる柔らかな触れあいに対し、美代はなぜか入学式のとき同じ年頃の子らも自分と似た緊張ぐあいだろう、そう了解したことをふと思い出し…