化粧15

あの日の写真をとり出しじっと目を凝らす。 明かりの加減もあって大概は暗くぼやけた写りのものばかりだけれど、記念に、そうささやいた陽子の思惑にかなったのか、枚数の少なさは今からしてみれば価値を高めているよう思えてくる。 美代の手元に渡されたのは四枚だけで、そのうち三枚はほぼ正面から似たように撮影されて…