化粧16(最終話)

他の三枚とは異なる図柄を配した最後の一枚が炎を取りかこむようにして燦然と輝きだした。 写真に落ちた日差しはあきらかに隠れはじめており、夕暮れ間近特有のひっそりと沈みこめる気配に導かれていたと思われるが、どうした具合なのか寄りそったふたりの顔は燻りがちとは云え、漆ぬりされたふうに朱で染められた色づきで…