美の特攻隊

てのひら小説

2013-10-04から1日間の記事一覧

赤い砂漠

赤く染まったまぶたをそっと開いた。 目覚めは変わらない。 何が。 世界もそう大きく変貌したと思わない実感。そう特に変わらない。 あれから数日を経て職場にも復帰し、今日も又、何も変貌がないだろうと軽くまばたきをして、こうつぶやいた。 「夢は見てい…

無意識

さざなみ

目覚めは自在だった。 深くもなく浅くもない川辺の流れに浮かび過ぎ去る一枚の落ち葉のように。 水流は清く感じられ、少なくとも悪意をはらむ水質ではないという奇妙な感覚が、それこそ一葉に似た軽さで想起される。 所詮、眠りたい時に布団にもぐり、必要加…

こどもの時間