美の特攻隊

てのひら小説

2014-08-04から1日間の記事一覧

太陽はひとりぼっち

投函 〜 あの夏へ 15

小さく、しかし大胆に耳の奥へと吸い込まれた麻希のひとことは、初顔あわせした今夜の時間の流れを一瞬にして固定してしまい、つかみ取れないないままに指先から逃げさってゆく期待を芽生えさせた。そう感じられたのは、予期せぬ僥倖に先んじることで受け入…