美の特攻隊

てのひら小説

夜のインスタントラーメン

久しく堪えてきました夜食、しかし晩秋の深夜の孤独に対して見合ってくれるのは、やはり、インスタントラーメンであって、カップ麺じゃありません。
昭和スタイルの袋麺であります。
そういった数ある種類のなかでも定番が台所の隅っこに眠っているのは郷愁そのものです。
てっとり早くつくりましょう。なんせ、もういつも通りふて寝の時間だったので、ほんとう、今夜はまれなんです。
ここんとこ再発見がエースコックのワンタンメンだったから、今夜は違ったものを・・・在庫はサッポロ一番塩ラーメンと徳島金ちゃんらーめん、チャルメラしょうゆ味、といった面々。
まよわず、サッポロ一番塩に決定!
たまねぎ、にんじん、ながねぎを、麺の細さに見立てて切りそろえながらお湯をわかします。
フライパンに・・・麺が泳ぐ、吹きこぼれしないし、大人の落ち着きのような構えです。
小鍋には的確かつ、やや多めの湯を沸騰させ、さきほどの野菜をどさりと投入、そのとき、少々のコンソメ顆粒を加えて茹でます。
どんぶりにはもちろん、即席の心構え、ついでに白ごまなどふりかけておきましょう。
と、なれば、ごま油も出番かな・・・でもここは慎重、あくまで仕上がりを待っての実験の心意気。
茹だるの早いわ~。
おっと、ここには半熟を添えなければ、栄養価を、明日へのそつなきステップを。
卵を割り、小鍋に落とし込む。どうか、かたくならないでと祈りつつ火力を調整し、麺の茹であがりに散漫な、しかし、抜かりのない時間を謳いあげる。

おそろしく早い出来ばえ、それにしては2時間ほどまえから、食すかどうか煩悶した時間。
フライパンの茹では早いので、それを思い出し、さささと仕上げに。ぷふい、まるで首猛夫のような講釈が踊り出しそうになるのだけど、案外そうでもなかったです。ごま油は却下。代わりにベビーチーズ2個投下。これが戦後といわずいい戦いを展開してくれました。溶け出す、固形の違和感と、たちまちにしてなじむ感触。
もうズルズル、ちゅるちゅる、ぱくぱく、あっ〜、お腹いっぱい。温まった、おしっこしてすぐ寝よう。
午前三時の晩餐会でした。

写真を撮る余裕まったくありませんでした。