ポセイドンのめざめ

光線を避けるようひっそり佇むメデューサの石像に話しかけるのは、家僕のペイルでもシシリーでもなく、以外なことに小間使いのベロニアだった。どうしてそんな驚きを抱くかと云えば、犬のシシリーでさえ恋心を持ってしまうほどの美貌が隠されていたからで、つまり大きな声どころか、内緒話しでも危うい空気が張りつめてし…