純一の舞台は、こうして予想外である朱美の出現によって早々と崩壊しはじめた。もっとも、崩れだしたのは外壁であって、中心部に宿った暗室の天蓋は淡く差しこむ月光の親和に守護されていた。 三好の家で育った朱美は、後日運ばれてきた自分の荷物をひもとい…
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