2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
みなさま、よい年をお迎え下さい。本年はありがとうございました!
思いのほか気まぐれにやんわりとあるいは又、不意に背後からしのび寄った悪意の翳りの前兆はあの幼い日々のなか密やかに棲みついていたのだろう。 木漏れ日のような思いがけない到来は、すぐそこに手をかざせば親しみのある温もりをあたえながら、前後を把握…
床から起き上がったと見まごう畳が一枚一枚、どんな案配に寄せ集められたのか、表に運ばれたのか、明瞭な光景を思い浮かべることは出来ない。 ただ印象深く、今でも小さな驚きを保ちながら脳裏に広がるのは、畳の下に敷かれていた色褪せた新聞紙が、それまで…
語るべきして語られるわけもないはずなのに、普段とは違った動作のうちに重ね合わされるよう、ちょうどナレーションと云った趣きで音像が言葉の響きに歩みよろうとしている。 つい先程までこうして開け放たれることが久しかったガラス戸は、以外な結末を迎え…
アンデルセン童話に「ゆきだるま」という一編があります。 こんなお話です。 あるうちのにわにゆきだるまがすわっていました。なんだかからだのなかがみしみしすると、ゆきだるまはいいます。おひさまがてっていたのですね。 ぎらぎらてりつけるおひさまに、…
もう学校は冬の休みです。 開けっ放しにされた向こうから日差しが照りつけてくる夏休みの始まりと違って、年の瀬とともに訪れるひかりはどこかしら蕭条とした息づかいをしています。 クリスマスや正月を控えながらあえて華やぎを抑制しているふうに感じてし…
読者のみなさま方、わたくしの拙いブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます!! 最敬礼!!! 実は先日よりパソコンが起動しなくなりました。 古い機種をなんとかなだめて使っています。でも、これも壊れているんです。 (モニターがちらつきブレま…
「おじちゃんだれ」 返事なきままに立ち去れば、自分の沈着さを時間が保証してくれるに違いない。 そして動揺した気分を覚ましてから明日にでも再び尋ねればすむことだ。あるいは日付がわかっているから、少年の行動範囲はおおかた把握できるし、そっと様子…
普段あまり頻繁にしない仕草、腕時計を目もとまで持ってくるせわしなくも気取った素振り。 予行演習ではなかったけど、そんな自分の心中とはうらはらにじっとしていられない子供の感覚が、すっかり目覚めてしまった。「3時20分」まだ時間はたっぷりある。…
さて深い山中でもあるまいし、いくら竹やぶに差す明かりが40年前の光線だとしても山林へと連なる方向と反対に抜ければ、そこはすぐ湾岸に臨める狭い町並みだった。 迷い犬を見届けるようにタイムマシンの隠し場所を振り返っている間にも小高い土地は、見事…