美の特攻隊

てのひら小説

幽玄

こおろぎ

長生きしようが、早死にしようが、こおろぎの音くらいこの国に生まれた者でしたら耳にしたことはありませんか。わたしは小さい時分、背丈ほど盛り土された芝生に駆け上がり、指先からはみ出すほどのびた青草をむしる要領で掌を握りますと、面白いくらいこお…