美の特攻隊

てのひら小説

料理小説

深夜の深夜のざるそば

寒々なんてあたりまえよ、寒いときは寒い、暑いときは暑い、たとえばマイナス気温の夕暮れ、暖房のなかの暖房であったまった体なんて、よほどヒートテックじゃない限り、どうてことないわね。むろん重篤な病人は別よ、でも、そうでないのなら、ざるそばが食…

夜のインスタントラーメン

久しく堪えてきました夜食、しかし晩秋の深夜の孤独に対して見合ってくれるのは、やはり、インスタントラーメンであって、カップ麺じゃありません。昭和スタイルの袋麺であります。そういった数ある種類のなかでも定番が台所の隅っこに眠っているのは郷愁そ…

ちび六うどん

ぽかぽか陽気でねむねむめざめ、ハイハイはってカサカサスイスイ、あれっ~床がいやにしけっていますよ。おてんきゴロゴロザーザーあめあめふりふり、おひるすぎはたいようギラギラ開いたまどからヒュ~とさわやかな風がまいこみました。ちび六はうきうきそ…

ちび六と豚丼

雨がしとしと日曜日、どの家も窓を閉め切って静かな空気がよどんでいます。 風呂場のすみから、ハイハイはってカサカサヒタヒタろうかをわたってくる気配、なんて知るわけないですよね。 でもまったく関知しないのではありません。おねえさんはちゃんとはえ…

花粉とライスカレー

うちのおかあさんに聞いたんだけど、小学校のときの給食がね、カレーだったんだって。ごはんじゃなくてコッペパンにつけて食べたそうよ。ええっ、うまそう、あっ、そうか、カレースープなんだ。ちがうってば、とろみのあるふつうの、じゃなかった、ああもう…

たまごぞうすい

ふろばのかたすみに暖かなひざしがふんわりよどんでいます。めざめはのんびりでした。 ちび六のいちにちが始まります。カサカサスコスコハイハイはってピョンとひとっとびトーンとちゃくちでまたまたハイハイ、春はうららかですね。 きょうは何をしようかな…

やきめし

草木も眠る丑三つ時、窓の外は冷え冷えしているに違いない。 成瀬巳喜男監督の「めし」を観て、ほっとため息、もう一本鑑賞しようかなんて考えがうそ臭くよぎり、さっきから小腹が空いている実感が大きなうねりとなって押し寄せてきた。 明日は休日、しかし…

なべ焼きうどん

今日の空模様、窓の外にはやわらかな針のような雨脚、それほど嫌いでもない、煙る町並み。 寂しげな電柱だってよく目を凝らせば、いつもと居場所はかわらない、当たり前か。 でもモノクロ写真としての風情を欲している電線には同情してしまう。どうしてそん…

あんかけ焼きそば(パワーアップ編)

夜が更ければなにかいいことがあるのだろうか、なんて普段あたまに思い浮かんではこない考えが、薄ぼんやりしながら静まりかえった深夜の気配にとけ込んでゆく。 休日なので夕方近くまで目覚めつつもふたたび眠りおちるままでいたから、いつもに比べ遅く布団…