美の特攻隊

てのひら小説

フォト

まちの灯り

冬の宵 かじかむ想い ふれる暖

骨まで愛して

ささやかだけれど、役にたつこと

黄昏れて

冬へ

秋庭歌一具

散りされど 深き息吹の 彩たる夢 秋の結びに 狂え酔いたし

おでかけ

夜がくるまで

扇さばき

さまよい

秋時雨

女神

天川

sai

頬をそめたら

夜の河

もの想い

恋するガリア

潮騒

てのひらを太陽に

ノスタルジア

駈ける

帚木

AQUARIUS

つるべ落とし

Technicolor Dreamin'

夜の河 〜 9

陽光がまぶたのうらに赤く染みこんだかの記憶は茫洋としたまま、しかし追想される、きれぎれなひとこまのなかに於いてひび割れのように引かれた、あるいは二枚貝がわずかに海水をあらためて含みいれる様相で、薄目をかすかに開くと、月あかりの有為転変を眼…

オヤスミナサイ

アンヌと蜂女

夜の河 〜7

酒の肴にと奥さんがさばいてくれた、あじととびうおの刺身をつまみながら、口中に新鮮な青りんごをかすかに思わせる白ワインを含めば、潮の香りが風に乗って遠くまで運ばれ、人気のない山村に生える果実の木のしたへと、まるで眠りをもとめてそこへ安息する…